★ Complex

2007.12.22(Sat)

19巻ベースのSS

読みたくない方はスルーで。

※携帯の方はフツーに読めてしまうのでご注意を!









狂乱の去った部屋。

少し前までの騒ぎが嘘のように静まり返ったこの場所に、俺は独り足を踏み入れた。




『それに理由がいるのか?』




その一言で何もかも吹き飛ばした。
燻っていた感情を呼び起こし、再び嵐を目覚めさせた。





互いに寄せる信頼 深く繋がった絆


その一端を見せつけられた気分になる






俺はそこには入り込めない


入り込める隙間なんか 無い







それが無性に悔しくて 無性に腹が立つ。

アイツは俺のなのに


そう思う気持ちと、一人の為だけに存在してる訳じゃない…そう理解している自分自身がいる。

その苛立ちを…ただの八つ当たりだと判っていて、アイツにぶつけた。


『テメーはオトモダチと仲良くしてろ!』



そう吐き捨て、引き止めるアイツを振り切ってここまで逃げて来た。

つくづく心の狭い野郎だと、自分自身に呆れ皮肉な笑みが零れる。




こんな束縛まがいの感情は間違いだと判っている。
でも、アイツに関してだけは…独占したいという気持ちが押さえられない。



「なっさけねーの…」



呟いた声は…掠れていた。










独り
誰も居ない部屋に佇んで、小さく呟く。



「咢っ!!」

その声をかき消す様に、突然、響いた声にビクリと身体が震えた。



咄嗟に空をふり仰ぐ。



「な…っ?!」

天井のない教室の上には、満点の星。

そこから切り取られたみたいに…こっちへ向かって降りて来る人影。


「テメ…ッ…!」

俺が声をあげるより先に、降ってきた影が勢い良く、俺の身体を抱き締めた。



「し…ん、ぱ…っさせんな、よ…っ」

必死に探し回ったのか…弾んだ息のままそれだけ告げて、抱き締める腕に更に力を込める。


「…何しに来たんだよ…」

呟いた声は硬質な響きを帯びていて、妙に冷たく、無機質な音に聞こえた。

「ん…、何かアギの様子が変だったし…走ってっちゃったし…俺すっげー気になって…」

「なんでもねーよ。…邪魔だから帰れ」

切れ切れに呟く葛馬に冷めた声で吐き捨て、絡み付く腕を振り払った。

「ぅわ、ヒデ…。てか、そんな泣きそうなので『なんでもない』て言われても…何か俺、ヤなコトした?」
困った様な表情で、訊いて来る。

「別に…」
冷めた態度しか取れない自分にますます苛立ちが募る。



困惑した顔で頭を撫でる手が優しくて…
また胸の奥がズキン…と痛む


「アギ…?」

俺を覗きこんで語りかける声が優しくて…





「ほかの奴にイイ顔すんな…」







呟いて、力の限り抱き締めた。



独占出来ないと判っているのに、ついそんな言葉が零れる。

世界の全てから覆い隠してしまいたくて、引き寄せた頭を腕の中に閉じ込めた。



「俺以外の奴なんか構うな…」

ムカつく…。小さく吐き捨てれば、腕の中の葛馬が微かに笑った。





「…ヤキモチ妬いた?」

見上げる瞳がからかうように細められ、腕からすり抜けた葛馬が、逆に俺を押さえ込むようにして口唇をあわせてきた。



「俺は、咢のモンだよ…」

囁きと共に抱き締められて、大人しく腕の中に納まる。



そんな俺にまた笑って、


「アギ…可愛い…」
そう囁いて、優しく抱き締める。



「……ムカつく」

そんな言葉だけじゃ全然足りない。
だけど、葛馬の言葉は、俺の不安を少しだけ和らげてくれる。



「今度、他の奴に尻尾振ったら、一か月接触禁止」
「え゛っ?ちょ!それは勘弁〜〜っ!!」
憮然と呟けば、打てば響く鉄の様に、即座に反応が返って来る。

「駄目。その間ちょっとでも触ったら、その度に一日ずつ延期だからな」
「咢お〜〜〜〜〜っ!!」
情けない声をあげる葛馬に、笑いを噛み殺しながら告げる。




「だからずっと、俺の事だけ考えてろ…」

そう囁いて、まだ泣き言いってるウルサイ口を無理矢理塞いだ。









咢→葛馬
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